2月23日、24日に第24回総合リハビリテーションセンター研修会が開催されました。
今回は、一般財団法人 広南会広南病院 リハビリテーション科 総括主任の阿部 浩明 先生をお迎えし、『脳卒中後のPusher syndromeの理解と介入戦略』というテーマでご講演いただきました。Pusher 現象は、脳血管疾患後に生じる姿勢異常であり、①座位や立位で非麻痺側上肢・下肢で麻痺側へ押し、②身体が麻痺側に傾き、③他者が修正しようとしても抵抗してしまう現象です。
講演内容は、Pusherの用語の整理から始まり、現在の研究や治療戦略まで、とてもわかりやすく説明して頂きました。特に、Pusher syndromeの原因となる病巣、発生メカニズムなどを臨床において基礎となる部分と実際の臨床現場で行える訓練などを、実際の診療場面の動画を用いてご紹介いただきました。
私が特に印象に残った内容は、臨床でどのような手順で評価し、治療すると良いかという点です。Pusher 現象とそれに似た現象の鑑別の仕方、現象が消失するまでの研究結果、理学療法評価や具体的な治療方法など、細部にわたりご教授頂いたので、臨床の場面と繋げながら理解を深めることができました。今回の研修を通して科学的な知見の必要性を認識し、これから臨床で患者さんと向き合っていく上で、改めて理学療法評価・訓練を再構築していきたいと思いました。
総合リハビリテーションセンター 理学療法士 田中 康則